特定建設業と一般建設業の違いと選択の仕方!

ウチはどっちを取ればいいの?

お問い合わせをいただくお客様から時々いただくご相談に

「ウチは特定と一般とどっちを取ればいいの?」

というご相談があります。

実際には取りたい方を自由に選択できるものではなく、自社がどのような工事をどのような体制を組んで行っているのかによって、取らねばならない、取ることができないものが決まってきます。

今回は、『特定建設業』『一般建設業』の違いからお伝えいたします。

この記事をお読みいただければ、自社がどちらを選ぶべきかが明確になりますので、最後までお読みください!

特定建設業と一般建設業

特定建設業

元請業者が受注した工事を、4,000万円以上を下請けに出す場合。には、特定建設業の許可が必要です。

注意! これは1つの工事の請負代金です。下請数社に分ければ良いという性質のものではありません。何社の下請けに出そうとも変わりません。

注意! この額はあくまで税込みの金額です。

注意! 建築一式工事の場合は6,000万円(税込)以上です。

一般建設業

特定建設業の要件以外のケースは全て一般建設業の許可になります。

色々なケースを列挙します。

・元請工事1件の工事が4,000万円を超えているが、すべて自社で工事する → 一般建設業

・下請工事として請けた工事額が4,000万円を超えている → 一般建設業

・下請工事として請けた工事額が4,000万円を超えておりその全てを孫請に出す → 一般建設業

などなど

要件の違いは?

特定建設業とは、結局元請業者が対象になる許可です。

建設業における元請業者が倒産すると、下請業者も連鎖倒産するなど大きな被害に繋がりかねません。

そのため、特定建設業の要件は、一般建設業の要件と比較して2つの要件が厳しく設定されています。

専任技術者

専任技術者の要件については過去記事「建設業許可の要件5つ!」で書いておりますのでそちらをご参考にしてください。

一般建設業許可の要件にはあった「10年以上の実務経験」がなくなっています。

以下要件

① 必要な国家資格を有すること

→ 土木工事業 : 1級土木施工管理技士,技術士 など

→ 建築工事業 : 1級建築施工管理技士,1級建築士 など

② 一般建設業の許可要件に加え、元請として4,500万円以上(税込)の工事について2年以上指導監督的な実務経験を有すること

以上の二通りの要件があります。

財産的基礎要件

これも一般建設業許可の要件とは大きく違います。

① 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと

② 流動比率が75%以上であること

③ 資本金の額が2,000万円以上であること

④ 自己資本の額が4,000万円以上であること

以上の4つ全てを満たしている必要があります。

特定建設業の注意点!

一般建設業の場合、財産的基礎要件を満たす必要があるのは新規申請の時のみです。

5年ごとの更新の際に財産要件を満たしているか証明する必要が有りません。

しかし、特定建設業は更新ごとに財産要件を満たしているかを証明する必要が有ります。

ご注意ください。

また、専任技術者についても注意が必要で、1人しかいない状態でその方が退職した場合、その時点で許可の要件を満たせなくなりますので、その点での備えも十分検討しておく必要が有ります。

以上、今回は特定建設業と一般建設業の違いと選択の仕方を記事にしました。

御社の参考になれば幸いです。

もちろんご不明な点はいつでもご相談ください。

最後までお読みいただきまして本当にありがとうございました。

投稿者プロフィール

石川 裕樹
愛知県を主な活動エリアとしております。行政書士というお仕事が大好きです。この資格を通して、ご依頼者様の幸せに貢献できることがたくさんあります。1つ1つの業務に丁寧に当たらせていただきたいと思っております。
「いかに誠実に正直に仕事できるか。」が私のテーマです。