建設業許可を取得した後、絶対に知っておくべきこと

晴れて建設業の許可を取得したあなた。しかしこれでもう何も気にすること無く仕事に打ち込める。

そうお思いでしょうか。実際には許可業者とは、許可業者としての責任を伴うことになります。

今日は、許可取得後の絶対に知っておくべき注意点を解説します。

 

許可の有効期限

これは、誰もがご存知のことだと思います。建設業の許可有効期間は5年です。

例)令和2年5月30日 → 令和7年5月29日まで

そして継続して建設業を営もうとする場合は、期間が満了する30日前までに、許可の更新申請が必要です。

また、同一区分内で新たな業種の許可を取得する場合(業種追加)、一般建設業の許可を特定建設業に変更する場合(般・特新規)、営業所所在地の変更等により許可行政庁が変更になる場合(許可換え)については、別途許可の申請が必要になります。

絶対に気をつけねければならないのが、「許可期限内に更新申請を済ませること」です。

更新申請を受付は許可有効期限の90日前から30日前までの60日間の間にする必要があります。

行政書士に依頼しているのでしたら、しっかり管理してくれると思いますが、ご自身でされる場合は注意してください。

許可期限をうっかり超過してしまうと、その時点で無許可になってしまいます。

弊所にも、「許可期限がもう間近なんだけど、急いで更新してもらえないか?」というお問い合わせが良くきますが、ぜひ余裕をもって手続きに臨まれることをおすすめいたします。

 

変更届

許可業者が、会社を運営していく過程で色々なことが起こります。その内容によっては「変更届」をする必要があるものがあります。

下記にそれを挙げます。大切ですので、よく覚えておいてください。

変更自由 提出期限
① 経営業務の管理責任者を変更したとき 事実の発生から2周間以内
② 専任技術者を変更したとき
③ 令第3条に規定する「使用人(支店長,営業所長)」を変更したとき
④ 経営業務の管理責任者又は専任技術者が欠けたとき
⑤ 欠格要件[法第8条第1,7~13号]に該当することになったとき
⑥ 商号又は名称を変更したとき 事実の発生から30日以内
⑦ 営業所の新設をしたとき
⑧ 既存の営業所の名称、所在地又は業種等を変更したとき
⑨ 法人の資本金額(又は出資総額)に変更があったとき
⑩ 法人の役員等に変更があったとき
⑪ 個人の事業主又は支配人に変更があったとき
⑫ 事業年度(決算期)を経過したとき[事業年度終了届] 毎事業年度終了後4ヶ月以内
⑬ 使用人数に変更があった場合
⑭ 令第3条に規定する使用人の一覧表に変更があった場合
⑮ 定款に変更があった場合
⑯ 健康保険等の加入状況に変更があった場合

 

以上です。この表を見て、御社に提出しなければならない変更がないか確認してください。

 

廃業等の届出

許可を受けた建設業を廃止等した場合は、30日以内に許可行政庁へ廃業届を提出しなければなりません。

廃業等の届出事項 届出をすべき者
① 許可を受けた個人の事業主が死亡したとき 相続人
② 法人が合併により消滅したとき 役員であった者
③ 法人が破産手続き開始の決定により解散したとき 破産管財人
④ 法人が合併又は破産以外の事由により解散したとき 清算人
⑤ 許可を受けた建設業の全部又は一部を廃止したとき 法人,法人の役員/個人,本人

 

以上です。

 

標識の掲示(法第40条,規則25条)

建設業の許可を受けた者は、その店舗及び建設工事の現場ごとに、公衆の見やすい場所に、標識を掲げなければなりません。(標識の大きさ、様式等は定められていますが、材質、作成方法等に定めはありません)

[店舗に掲げる標識(規則 様式第28号)、建設工事の現場に掲げる標識(規則 様式第29号)]

 

帳簿の備付け等(法第40条の3,規則26,27,28条)

建設業者は、その営業所ごとに、その営業に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え、かつ、当該帳簿及びその営業に関する図書を保存しなければなりません。

※ 帳簿 → 保存期間5年間(発注者(宅建業者を除く)と締結した新築住宅の建設工事に係るものは10年間

※ 営業に関する図書 → 元請業者に「完成図」「発注者との打合せ記録」「施工体系図」の保存を10年間義務付け

許可業者、工事によっては、有るものと無いものがあると思いますが、上記の保存期間を守ってください。

 

個人的に思うのは、工事に関する書類関係は、できる限り保存していただきたいと思っています。もちろん場所にも限界があるでしょうから、無理にとは言いませんが。なぜなら、あなたの会社の繁栄に貢献してくれた大切な従業員が、将来「独立して建設業の許可を取得したい!」と言い出した際に、その従業員の方の建設業の許可に必要な証明書類は、非常にたくさんあり、その中には過去勤めていた会社(あなたの会社です)に在籍していて、取得する業種に従事していたことを証明してあげる必要が出てきます。その際に、「そうか、よし頑張れよ、これ〇〇年前の請負契約書、発注書、注文書だよ。」と出してあげられると、その従業員の方はとても助かるからです。

 

以上です。

今日は、建設業の許可を取得した後に絶対に知っておくべきこと。を列挙してみました。

ありがとうございました。

投稿者プロフィール

石川 裕樹
愛知県を主な活動エリアとしております。行政書士というお仕事が大好きです。この資格を通して、ご依頼者様の幸せに貢献できることがたくさんあります。1つ1つの業務に丁寧に当たらせていただきたいと思っております。
「いかに誠実に正直に仕事できるか。」が私のテーマです。